IPCCについて

IPCC報告書作成プロセス

IPCCの成果物

 IPCCが作成する成果物には、下記のものがある。

 これらの執筆・査読は、IPCCが定めた手順書("Procedures for the preparation, review, acceptance, adoption, approval and publication of IPCC Reports")に従って行われる。この手順書には、それぞれの成果物の執筆等に関する詳細なプロセスが示されている。
 なおこの手順書は、アウトライン(骨子)案の作成(スコーピング)から総会での最終的な承認・採択・受諾に至るまでの全ての過程を扱っており、IPCC用語の定義、執筆者、査読者、査読編集者及び政府窓口(フォーカルポイント)の役割にも言及している。

IPCC報告書の執筆及び査読、公表までのプロセス

IPCC報告書の執筆及び査読、公表までのプロセス
(出典:IPCC HP “Leaflet: The Sixth Assessment cycle”より、事務局にて和訳)

 IPCC報告書は、スコーピング会合でアウトライン案が作成されることから始まる。さらにIPCC総会において、スコーピング会合での報告を基にアウトラインが承認される。その後、ノミネーション(執筆者推薦)のプロセスを経て、報告書の執筆陣(執筆者、査読編集者)が選定される。
 選定された執筆陣が作成したドラフト(草稿)は、専門家による第1次査読、政府及び専門家による第2次査読を経て、最終ドラフト及び政策決定者向け要約として作成・編集される。この最終ドラフトは、各国政府による査読を経たのち、IPCC総会で承認・受諾され、報告書として公表される。

 1次ドラフトは、利用可能な科学・技術・社会経済の知見を基に作成される。ここでは科学・技術・社会経済分野における査読付き文献が優先されるが、査読を経ていない政府、関係機関の報告書もIPCCの評価にとって重要であり、それらも適切に使うことで評価に広がりを持たせることができる。ただしこのような資料の使用にあたっては、執筆陣は引用元の質と正確性の保証に特に注意する必要がある。主執筆者(LA)は、科学的または技術的に相当の根拠がある本質的に異なる見解がある場合には、そのことを明示する必要がある。なお、さらなる資料を提出するために、執筆協力者(CA)に協力を求めることもできる。

 査読は、最新の情報について客観的かつ徹底した評価を保証するための、IPCC報告書作成プロセスにおいて不可欠な作業である。ドラフトの科学的、技術的、社会経済的な正確性と完結性、全体的なバランスを確認するために、査読は複数の段階を踏んで行われ、1回目の専門家査読でのコメントを反映した後に、政府関係者による査読と2回目の専門家査読が行われる。

 全てのIPCC報告書は、作業部会会合及び総会におけるパネル会合において是認(endorse)される必要がある。是認には以下の3つの段階がある。

執筆陣の役割及び選定方法

 IPCC報告書の執筆陣の役割は、主に下記のように分類されている。

 このうちCLA、LA、REについては、加盟国、第三者機関、各作業部会の議長団(ビューロ)等が挙げた候補者リスト(世界中からノミネートされた多数の研究者)の中から、各作業部会の議長団によって選出・承認される。また、各章の執筆者(CLA、LA)は以下の点のバランスにも留意して選定される。
・科学的、技術的、社会科学的な専門性の範囲
・一部地域に偏らないような地理的な代表性
・発展途上国、先進工業国間、経済移行国のバランス
・IPCCにおける経験の有無
・男女の比率
 なお、執筆者に選ばれなかった候補者に対しては、専門家査読のレビュアーへの案内が後日なされる。

(参考URL:http://ipcc.ch/organization/organization_procedures.shtml)